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エルフェンリートのレビュー/感想

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90点(全体) (napier) ,2013/6/28

アニメでは完結しないため十分な種明かしがされないまま終わるが「ほくらの」のような改悪がなくてむしろ良く、漫画で続きを読みたくなった

タイトルがドイツ語で「妖精の旋律」で、主題歌が聖書からの引用で構成されているように、良くも悪くも宗教的なテーマを色濃く感じさせる内容で海外で受けているらしいのも頷ける
あまりに多くの人間が一撃で易々と物のように殺されてしまう一方で、一部の人間は執拗な苦悩を繰り返す点に実存的な受難や、互いの過去を知らぬもの同士が白紙の一人の人間として一つの家に集まったり、記憶喪失になったりする点に死と再生といったキリスト教的なモチーフが表れている
物のように扱われたがゆえに、かえって血まみれの人間としての自己を自覚させられ、復讐へと駆り立てられるルーシーの姿は、作者が現代の生きにくさを代弁したものに違いない
しかし、妖精の悲しみの歌は、いわば神によって聞き届けられるのである
主人公との奇跡的な巡り合わせと、愛の力によって、また犠牲によって、ルーシーの犯した全ての罪は贖われるのだろう
そのとき他の人とは違うものとして生まれた妖精たちの生まれた真の意味が明かされるはずだ

主人公を巡る二人の女については、片方の犠牲のもとにのみ家族ができる、すなわち日常性が築かれることを表わしており、その日常において、過去のトラウマと現在のドラマと未来への前向きな態度が和解する

心理描写が浅くて共感できないなどといった感想を持つ人もいるようだが、それはおそらく正解で、感情移入というよりは痛みといった感覚移入、あるいは存在移入と言いうるようなものを求める作品だと思われる
「お前のことは何でも知っているよ」このような共感は侮辱に他ならないのではないだろうか?
今を生きること、知っていると思うのではなく、知りたいと思うこと、許すこと、共に生きること、共に死ぬこと、これらのことは、いかなる過去の理由も必要とせず、ただ前を向いて歩くその人物の力強い姿と言葉として現れるのではないだろうか?

家族でさえ、自分のことでさえその全てを知り尽くすことはできない
しかし今を生きる態度のなかにその人の過去と未来は余すところなく現れる
過去を知って今を知る物語と、今を知って過去を徐々に開陳し未来を望む物語の二つがあるのだ


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