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風立ちぬのレビュー/感想

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88点(全体) (napier) ,2013/7/24

「風立ちぬ、いざ生きめやも」
困難を乗り越えて生きなければならないという意味で
実直な主人公を地震、戦争、婚約者の結核と大きな困難が襲う
しかし地震と戦争と結核がなければ主人公が婚約者と出会うことは決してなかった

ささいな一コマで貧しい子供たちに食べ物を恵もうとした主人公が
施しを拒絶されたことを同僚に話すと偽善だと指摘され
主人公はそれを即座に否定する
その否定はむしろ偽善を否定しきれない葛藤の表れである

主人公は二つの罪を犯す
飛行機の美しさに魅せられた彼の夢の先には、結果的に人殺しに利用されることになる戦闘機の開発があり、愛の先には、恋しさに病院を抜け出してしまう婚約者の健康を結果的に害してしまう

そこで婚約者は夢の中で笑顔で言うのである
生きて、生きて、と
2度繰り返すのは戦闘機の分と自分の健康への贖罪分である
葛藤を乗り越えねばならないのだ
フロイト的には夢は独我論的な妄想の場所というよりは
他者の欲望が現れる場所であり
夢において彼は真に彼女と出会っている

劇の最後は彼女が一人で病院に帰るところで締めくくられる
それは彼女にとってのいざ生きめやもであり
あえて手紙でのみ伝言を残したのは絵を描く彼女とも関連して
互いに一つの人格として唯一の生を生き抜く態度の表れである

主人公のエゴが妹を殺してしまい、結果的に主人公も言い知れない無力感のなかで死んでいく絶望を描いた蛍の墓と比較して、本作は肯定のメッセージが強い
しかし莫大な数の人々と愛する人の死と直接結びついた主人公の罪の重みには決して肯定しえない深刻さが潜んでいることを忘れてはならない


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