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DEVILMAN crybabyのレビュー/感想

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95点(全体) (siriuseyes) ,2018/2/17

アニメに限ったことではないですが、優れた物語というものは、
ストーリーに始まり、テーマで終わるものだと思います。
「人間っていったいなんなのだろう?」
そういった何かを考えさせられるものが、名作と呼ばれるものには、
共通してあるのだろうと思っています。
たとえば小説を書くのだとするなら、
一稿でストーリーとしてキャラクターが
個性を持った人間として感じられるかを注意し、
ニ稿では時間を置いて客観的に冷静に読んでみて、
ではこれはどういった物語なんだろうと考えます。
それをより二稿で明確に意識して書いていく。
シーンの意図を読み取る=読み筋というわけです。

「デビルマン」という作品は難しい物語だと思います。
まずは宗教的な問題です。この問題について相手を無視して語ることは
行き着くところは殺し合いです。作中では一家は敬虔なクリスチャンですね。
神と天使、悪魔、人間という構図ですが、主人公の親友は堕天使として悪魔の
王になっているわけですが、まず悪魔というものが本当に悪なのかという
問題です。これは人間が、自らの恐怖によって
罪のないヒロインを殺してしまう点に作者の主張があるのでしょう。
「悪魔だ! 地獄へ落ちろ人間ども!」という主人公の慟哭は、
人間は自らの恐怖によって自らを滅ぼす存在なのだと
主張していると思います。
魔女狩りは魔女が人間の中に紛れているという恐怖だとすれば、
この場合、隣人は悪魔なのではないかという疑心暗鬼。
ここに至る過程はじっくり描かれていました。
そして血に酔った示威行動、もう自衛ではなくなっている。
虐殺などというものが今も無くならない人間の暗いぬかるみを
露呈させているのでしょう。

「アキラくんにバトンを渡さなければ!」と
ヒロインは逃げますが、了にまではバトンは回らない。
了は主人公を愛するというところまでは出来たのに、しかし明を殺すという
結末にしかたどりつけなかった。
どうすればバトンを了は受け取れたんだろう?

ただそれらは考察の過程であって、
テーマはその先にあると思います。
たくさんの人に見て欲しい作品ですね。

批評や感想というのはさして役に立ちませんが
良い作品は残っていくでしょう。
ちょっと1000字では、語り尽くせない名作ですね。


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