ゲーム系ファンタジー世界冒険ものとしては、同期に「この素晴らしい世界に祝福を!」がありましたが、コインの「表」と「裏」のといってもいい、まったく違う方向性を目指していて、どちらも素晴らしい出来でした。
美しい作画と効果音、多用していないが上手く場面を盛り上げる音楽。シンプルなシナリオだが、他の作品には表現の味わい深さがこの作品にはあります。
特に間の取り方が上手い。最近のシナリオ技法では、とにかく場面展開を早くするして畳みかけるのがセオリーだが、この作品はゆったりとした場面を多用している。セリフが少なく展開がゆっくりなシーンは、ひとつ間違えると視聴者をだれさせてしまう原因になってしまって使い方が難しいのだが、この作品は登場人物の息遣いが聞こえてくるような緊張感を失わず、そのシーンに登場するキャラの気持ちがよく伝わってきます。
面白味の少ない1〜3話で冷めてしまう人もかもしれないが、ぜひ8話まで見てほしい。その先を見ることで、この1〜3話がしっかり伏線の土台となっていることがわかるでしょう。