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この世界の片隅にのレビュー/感想

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96点(全体) (41_cape_horn) ,2017/2/27

(ネタばれ)● テーマは戦時下の生活
 戦争そのものの凄惨さや悲惨さ、そして悲壮感を直接描く訳で無く、あくまで生活目線で戦時下という異常事態を生きていくかがテーマにあったと思う。すずの「ぼーっとしとるけん」という呑気さの対象にあったのは、姪の晴子の死や自身の右手の欠損や呉の空襲、妹の被爆というものを乗り越えていく、ある種の芯の強さだと思う。
 この映画は、すずの強さや逞しさ、家族や夫婦の絆やその愛情の強さなどがきちんと描かれていると同時に焼夷弾空襲や原爆の凄惨さ、戦争という出来事によって翻弄される国民生活の一端も暗に描かれていると思う。

● 戦時描写が秀逸
 灯火管制や防空壕、伝単、隣組、空襲シーンでの焼夷弾や機銃掃射、戦時下の極限状態での食糧事情とその工夫など戦時描写が緻密だと感じた。また、原爆投下後の原爆ドームや川を挟んでの本川小学校のシーンはリアルに感じ、原爆の爆風で障子戸が庭の木に引っかかっていた点などは、原爆の破壊の威力を物語っていると思う。1つ残念なのは、窓ガラスに破砕、飛散防止の×字の補強の紙が貼られていなかった事くらいかな。
 1つ疑問なのは、原爆投下の影響の描写で爆心から20qくらい離れた呉市に、原爆の光線は到達したとしても、瓦が落下する程の爆風が到達したのかという点だ。爆心から5q以上離れるとその被害はかなり軽微になると思うのだが…。この辺は、やや誇張も入っているのかなぁ??原爆被害に関しては、爆心から5q以内の写真は多くあるが、その時期前後の周辺都市の写真は見た事が無い(現存していて、見た事が無いのかもしれないが)。調べてみてもいいかもしれない。

● 戦争ものがNGな人でも
 ストレートな戦争もので無いのと、描画タッチの色の淡さ、前半の緩めだけどコメディラインが入っている点やすずののんびりした性格などが相まって、取っつきやすい作りだと思う。また、物語のスタートが、昭和一桁からスタートし、いきなり戦時色に入る訳で無いので、気がついたは時には、物語にのめり込んでいると思う。


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