(ネタばれ)個人的にはとても楽しめました。
唯、戦闘機ファン以外には面白味のポイントが分かりにくいのかなとは思います。
例えば本作や続編では、高高度迎撃機として、TSR2やMIG31が出てきます。現実ではTSR2は試作機のみで終わったため、作中あるように18万ft(約55km)まで上がれるとは思えませんが(データ上TSR2の上昇限界は4万ftです。18万ftはMIG31でも無理な限界高度です。というか、最も高く飛べるSR71の限界高度の2倍以上なので、高高度の範疇を軽く超えて成層圏も越えちゃってます。笑)、そこはフィクション補正ということで。
また、TSR2同様に試作機のみのXB70や、モックアップ以前のビッカース559など、西側の戦闘機は現実に計画段階で終わった機体ばかりで、それらが飛ぶ姿はまさに胸熱です。(東側はMIG31やYak28など、制式採用配備された機体ばかりなのは、冷戦中の試作機の情報不足が原因?)これら戦闘機が見せてくれる、現実不可能なトレーラーランチャーからの垂直ゼロ距離発射は最高です。
ストラトスフォー(ゼロ)は、ノーズだけを見るとB1のようにも見えますが、XB70をモデルにカナードを削除。垂直尾翼を一本にして、その上元々のジェットエンジン(実機のように6基搭載?エアインテークのカットでタービンブレードは表現されていましたが、お尻のカットではアフターバーナーの排炎が2つしか無いような・・・)に加えて成層圏を超えても飛べるロケットエンジン一基を大胆に搭載。(宇宙行けちゃいます笑) 重量はとんでもないことに。離陸できるんでしょうか、心配になってしまいます。加えて、ミサイルを外部に大胆実装。(内部格納にロケットエンジンを積んでいるのか不明ですが、あんなにでかいミサイル搭載できるんでしょうか?そもそもXB70にミサイル用パイロンはあるのか!?)一歩間違えれば魔改造、でもスタッフは戦闘機ギークらしくデザインは申し分なく仕上がっています。(何より岡部いさく氏と航空自衛隊の全面協力なので文句のつけようがありません。笑)
と言うように、戦闘機ファンにとっては胸熱です。劇中にも出てきたように映画ライトスタッフをモチーフとしているので、ライトスタッフ(ファントム無頼やエリア88、王立宇宙軍でも可)に涙した貴方にはお勧めできる一本といえるでしょう。