ガンダムシリーズの中で通称「宇宙世紀シリーズ」と呼ばれる
シリーズの始祖作であるファーストガンダムの流れを汲む作品。
その世界観の中で起きた歴史的事件に隠れた“ある事実”を
巡って起きる争いを描いた物語なのだが、その作品の素性から
過去に制作された宇宙世紀シリーズ、とりわけTVシリーズの
三部作と逆襲のシャアを知っていないと理解に至りづらいのが
玉に瑕ではあるものの、それさえクリアしていれば素晴らしく
見応えのある内容になっていると思う。
なにかファーストガンダムから数十年、宇宙世紀シリーズでも
そうだが、いろんな余話や宇宙世紀とは関係ない全く違った
世界観でのストーリーなども多くの人の手で作られてきたが、
そういった歴史の積み重ねが作品内での歴史をより味わい深い
ものにしているのかな?とつくづく感じさせられた。
いままでの宇宙世紀シリーズの余話的OVA作品は元シリーズの
人気とロボ系や戦争ロマン、ミリタリー的描写、そういった
嗜好にぶら下がっているだけの印象が個人的にはかなりあって、
そんなに好きじゃなかったんだけど、これはその世界における
人類史に影響を与える本筋とも言える物語という感じのもので
あって個人的には文句なしに面白かった。