(ネタばれ)物語の核心部のネタバレなので見視聴は見ないよう。
オチがあまり好まれないオチですが、かなり皮肉の利いたオチ。私はこのオチについては、まったく強引なオチだとは思いません。いや、解決方法は非常に強引ではあるのですが、だからこそ良いオチなのです。子供向けの漫画にしては、「地球を増やす」というオチは様々なことを考えさせられます。本作は表向きは神の視点を持つのび太が見え隠れしていますが、それ以上に神と言う存在の限界をラストで知ってしまうのが、「地球を増やす」オチです。ここでのび太は神ですらないことが明らかになります。のび太の居る地球でスラ、造られたものであることが想定されるからです。また、このオチは「争いごと」の解決を新たな地球の創造による解決にゆだねます。このオチははたして問題の解決となったのでしょうか？と、ある意味夢のないオチです。まぁ道具そのものには夢がありますが
、問題そのものの解決についてこの作品は解決を避けたと言えるでしょう。結局、私たちは侵略を続ける以外で生きることはできないのではないか、そう思わせてもしまうオチです。
また、冒頭の創生キットの描写はまさしく古事記・日本書紀の描写を現代の宇宙観をベースに再解釈したような観があり、結構夢があるので好きな描き方です。ただ、ずいぶんと狭い宇宙だなぁ・・・と思いますが、その辺は突っ込まず、とにかく「こんなキットあったら面白いだろうな」と思いながらワクワクできたのが良かった。
