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秒速5センチメートルのレビュー/感想

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86点(全体) (go_mans) ,2016/3/24

(ネタばれ) 人々のいうことには、「耳すま」と並んで非リア充を殺す作品ということである。初視聴。

 主要キャラは3人で、舞台も現代の茨城、種子島、東京、テーマは「はやさ」と派手さや大きなヤマ場とは無縁の作品だけども、基本的にはそういうのが嫌いでなければ見て損することはまあない一本だと思う。
 小中学、高校生、社会人数年目と、三つの時代を経ていく三本の連作短編という形式だが、それぞれ各時代らしい心情や、時を重ねるごとにうつろう想いがよく描けており、言葉を繊細にきちんと扱っているので、少なくとも劇中のどこかに、自分に印象を残すシーンがあるのではないだろうか。個人的には、心の機微を追うよりはどうしようもない心情の変化を確認したい。監督もインタビューで述べているけれど、時間や距離によって思いが変わってゆくのは、避けられないことなのでしょう。

 そして、なんといっても新海誠作品を語るときに外せないのが、笑ってしまうほどの背景美術の美しさ。1ヶ月のロケハンを行ったという本作の背景はいずれ取っても、一枚の風景画像として通用するほどにみずみずしい。これだけで見る価値があるという人の言葉も分かる気がするほどだ。
 キャラクターもその背景のなかでしっかりと息づいており、妙にリアリティのある描写も数多いので、作品そのものにもどこかリアリティが生まれてきている。キャラデザとしては、中一から高三にかけて、6歳もの年齢差が感じられないが、素朴で世界観通りだろう。

 話としては、二話の「コスモナウト」に二、三の意外さが散りばめられていて、一話・三話のあいだの断絶の隙間をよく埋めているように思える。なにより、主題歌である山崎まさよしのOne more time,One more chanceの歌詞だろう。もはや、1時間3分通してこの曲のミュージックビデオといっても過言ではないくらいだ。

 個人的には、この作品を十代の頃に見ていたかった。未見の方で、十代の方がいるのであれば、ぜひ一度視聴して、大人になった上でもう一度見てほしい気もする。各年代の生々しさは、やはりその年齢の頃が最も強く感じられる部分の筈だから。


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