(ネタばれ) 東映動画10周年記念作品。
ずっと原作は「ジャックと豆の木」だと思っていたが、オリジナル作品だった。子供を誘拐して悪魔に変えてしまおうとする魔女グリンデルと少年ジャック、その間で悩む小悪魔キキたちの冒険ファンタジィ。
10周年記念作品であるのに、森康二も小田部羊一も宮崎駿も大塚康生も参加していない。翌年公開の「太陽の王子ホルス」の作業が忙しかったか、監督の藪下泰次と何か確執があったのか。
映画の雰囲気や動きは、藪下風であるが、箒が付いたヘリコプターとか、魔物の骨でできている飛行機やバイクのデザインなどは、後の宮崎作品を思い出させるし、主人公ジャックの性格・行動は「未来少年コナン」そのもの。また「カリオストロの城」のような水路や階段も登場する。宮崎駿のオリジナルスタイルと勝手に思っていたものは、実は東映動画のDNAを受け継いだものなのかもしれない。楽しく面白い作品でした。