シリーズの原点にして、伝説の始まりにして、作品そのものが伝説。
正直、20代はじめの頃に一度視聴したのですが、そのときは作画や設定の粗さ、大道具、小道具共にデザインの古臭さ等が受け入れられず、視聴を途中で断念してしまいました。
80年代〜90年代以降のガンダム作品に慣れ親しんできた自分にとって、当時ファーストは「古臭い作品」、もっと率直に言うと「ダサい」と映ってしまったのです。
しかしそれから数年経ち、アラサーになった頃改めて視聴してみると、そのおもしろさに驚愕してしました。
所謂マンガ的でないナチュラルな造形(外見、内面共に)のキャラクター達、
そのキャラクター達から紡ぎ出される生々しいストーリー。
戦争という極限状態に置かれた人間達の切迫した空気が画面を通してビリビリと伝わってくるようでした。
「ガンダムという作品は設定がリアルなのではない、ドラマがリアルなのだ」という言葉の意味が理解できました。
この作品の持つ「手触り感」とでも言うべきモノは昨今のアニメでなかなか見られないですね。
又、この作品の持つ世界観のおもしろさとしては、
「ぶっちゃけ、アムロとガンダムがいなくても、連邦はジオンとの戦争に余裕で勝てた」というところでしょう。
輝くべき、シリーズ第1号主人公と番組の冠になっているその乗機でさえ、アニメで映される画面の外、作品の持つ世界観の大局の中に置いては「ただの一雑兵」という扱いがファーストガンダムという作品のスタンスをよく表しています。
現在、この作品はシリーズの原点でありながら、シリーズ中に置いては「上級者向け」の作品になっている感は否めません(上記のモロモロの「粗さ」により、シリーズの原点でありながら、現在の目で見るとある意味「ガンダムらしくない」作品になっていると思う)。
特に、かつての自分がそうだったように新しい作品に慣れ親しんだ若い世代のファンにはなかなか受け入れ辛いものがあると思います。
ですが、他のシリーズ作品を十分楽しみ、自らもある程度円熟して古い作品の現在に劣る部分も「味」として楽しめる余裕が持てるようになれば、
きっとこの作品のおもしろさの虜になるでしょう。
そういう意味では意外と「大人向け」の作品と言えるかもしれません。