思い出のアニメである。
子供の頃、いきなり学校の体育館に集められて強制的に見させられた作品。当時公立学校でもまだ荒れた頃の名残があり、ゴミのポイ捨てや私語でも先生の体罰はパイプ椅子、竹刀で殴るが当然の風潮で、すわまた全校集会で一斉体罰かと身構えたら、この映画の全校上映会だった。エンドロールが流れて辺りが明るくなって仰天した。
いかついヤンキーが全員泣いているではないか…。
あの当時は教師の戦略にまんまとひっかかり、ひどく感動したが大人になって漫画版のナウシカを読んで複雑な気持ちになった。漫画版はもっと奥が深く、深刻で深遠なストーリーだったからだ。映画版が子供だましに感じられるほどだった。それ以来この作品を見る度に大衆的娯楽性と文学・芸術性の折り合いの難しさを思い起こすようになった。
でもあの時はひょっとすると音楽で泣かせられたのかもしれない。当時のヒサイシ氏の音楽は今ほど重層的なオケではなかったが、ナウシカの原始的でアイルランド民謡のような物悲しい旋律は子供心に十分響いたからだ。